ありがとうございます。りんです。
先日、ヒトデさんの『1万回生きたネコが教えてくれた幸せなFIRE』を読了しました。
「副業やFIREに向けた勉強は一通りしてきたつもり」
「でもなかなかうまくいかない」
そんな人にこそ読んでみてほしいです。
それはまさにこの本を手に取ったときの私自身で、そんな自分に強く響いた一冊でした。
ここ最近で一番温かい読後感をもらった読書体験でしたので、皆様にも共有します。
本記事にはストーリーの解説を含みます。
核心に迫る内容は避けて執筆しておりますが、新鮮な読書体験を楽しみたい方はご注意ください。
あらすじ
簡易的なものですが、本書のあらすじをまとめてみました。
『1万回生きたネコが教えてくれた幸せなFIRE』は、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を目指す主人公が、1万回生まれ変わってきた猫:小鉄との対話を通じて自分を見つめ直していく物語です。
主人公は会社員生活に疲弊し、FIREを目指すも「何から始めれば良いか分からない」と悩んでいました。
そんな彼が出会ったのは、様々な人生を経験してきた不思議な猫・小鉄。
小鉄は、過去に自身が見てきた様々な人物のエピソードを交えながら、FIREに必要な考え方や具体的な行動を主人公に示していきます。
この本はFIREの基礎知識はもちろんですが、それだけではなく幸福度を高めるための考え方、人間関係の築き方、時間の使い方など精神的な豊かさについても言及されています。
総じて、単なるFIRE指南書ではなく「自分にとって本当に大切なものは何か」を問いかけ、読者の価値観を見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊だと思います。
(AIで出力された文章を基に筆者が目を通し大幅に加筆修正しました。思っていた以上にしっかりまとまって驚いています)
実際、私もこれまでFIREについて考えたり情報収集したりしてきた中では経験してこなかった感情を、この読書体験で感じることになりました。
あなたにこそ『幸せなFIRE』を読んでほしい2つの理由
1.ただノウハウを学ぶよりも深く実感する、物語としての力
私がこの本を手に取ったのは、「今まで学んだり調べたりしてきたことのおさらいになったらいいな」という動機からでした。
FIREについて解説する動画や書籍、ニュース等々にこれまでいくつも触れてきたと思っていたからです。
新しい情報を期待して手に取ったというより、これまで吸収した知識を総ざらいするための書籍として購入した、というイメージです。
しかし、いざ読んでみると「今まで見てきた情報源以上にその内容が頭に入ってくる」感覚を覚えました。
世間でよく言われてきた手法や著名な考え方でも、命を吹き込まれた登場人物が放つ言葉として、物語として目にすると心の中に入ってくる感覚が全然違ったのです。
例えば、転職や副業・起業についての話題。
「それはつまり、転職とか、副業をするってこと?」
「そうですね。他には起業も候補になります」
「いやいや、無理だよ!」
(中略)
「頑張っても無駄になるかも知れない。うまくいくかもわからないんだし」
「その通りです。そこで、はじめの話に戻ります。ここでリスクを取るんです(後略)」
『1万回生きたネコが教えてくれた幸せなFIRE』 122,123ページより
主人公はFIREを目指すにあたってインデックス投資を続けていますが、そんな彼に小鉄は「投資で得るリターンだけではなく、仕事でのリターンも同様に増やしてほしい」と語りかけます。
投資をする、収入の柱を増やす、そのために副業や転職を検討する……
こうした内容を丁寧に解説してくれるWebページや動画、書籍はたくさんあります。そうした主張が世の中にたくさんということは、定説として定着していると言っていいでしょう。
私もこれまでに幾度も目を通してきたつもりです。
この本を読んでいて覚えた感覚は「それらと同じ内容の言葉・説明だったとしても、より真に迫ってきた」というものでした。
自分に近い立場や思考の主人公に自分を重ねながら文章を追っていたからか、自分の中のより深いところに響き、刻まれた気がしたのです。
私自身、「新しく何かを始める」ことにはある程度挑戦してきましたが、この一節を目にしたとき、「自分はその上でリスクを取り続けてきただろうか?」という問いを自分に投げかけることとなりました。
2.より頭に入ってきやすくなる、「質問」と「掘り下げ」による反復の力
また、本書では「こうじゃないの?」という主人公の疑問や反論に対し、小鉄が「こうじゃないんですか?」と再考を促すやり取りが散見されますが、これがとてもよかったです。
私が印象に残ったやり取りの一例ですが、
「何度も言っている通り、インデックス投資はとてもいい投資法です。(中略)でも、それに全てを賭けるのって、人生を使った壮大なギャンブルじゃないですか?」
「そ、それはそうかもしれないけれどさ……」
「わたしが聞きたいのは、”本当にそうなりますか?”ということではなく、”万が一うまくいかなかったとして、諦めきれますか?”ということです。」
同上 105ページより
こうした会話のキャッチボールを経たことで、単に「インデックス投資だけに全振りするのは考え直すべき」と言われた場合と比べて、より頭の中で考えが巡って思考できたように思うのです。
ノウハウや知識をそのまま頭に入れていくのも大切ですが、他者に指摘を受けて「ああ、そう言われればそうだ」というワンクッションを挟みながら読み進めていくことで、より染み込んできた気がします。
作中では主人公と小鉄が、こうした質問や掘り下げのやり取りを何度も繰り返しています。
それが積み重なっていくにつれ主人公の中での思いや見据える未来が定まっていき、同時に小鉄との関係性も変化していきます。
そこに物語性を感じて引き込まれましたし、主人公に自分自身を重ねることで、私も小鉄とのディスカッションを疑似体験できたのかもしれません。
総評:「結果が出ず足踏みしている」人に寄り添う一冊
そういう意味でも、「もう勉強は一通りしたつもり」「でもなかなかうまくいかない」という人に読んでみてほしいです。
この本を読んで感じた一番の感想ですが、それはまさに今の私でした。

━━生きていく道として文章を書いてみようと試行錯誤するも、なかなか手応えをつかめない。
━━努力の量や方向性をもっと精査しないといけないと感じつつ、どうしても道筋が見定められない。
そうした自分を見つめ直させてくれる一冊だったと共に、主人公が小鉄との関係性を深めていく道程にも感情移入しながら読み進めることができました。
読了したのは数ヶ月前ですが、今でも思い出せるぐらいの温かい読後感をもらった読書です。
購入を迷っている方はぜひ、検討してみてください。
物語として発信してくれたヒトデさんに、末筆ながら感謝の意を。
私もHSS型HSPの視野を通じて感じたり考えたりしたことを、これからも一つひとつ文章に立ち上げ続けていけたらと思っています。
そして、書くことにこだわりすぎずあらゆるメディアや方法を試しながら、自分の足場を固めていくつもりです。