ありがとうございます。りん(@HSP_Rin)です。
90年代生まれのHSS型HSPで、書くことで生きる道を作っていくべく執筆しています。
以前から存在は知っていた、東海道・山陽新幹線の「S Workシート」。
PCでの作業を気兼ねなく行ってもいい車両として知られていますが、PCを外で使用しないため、これまでに乗る機会はありませんでした。
より快適に利用できる「S Work Pシート」の場合は追加料金として1,200円が必要なこともあり、グリーン車同様にちょっとハードルの高い存在だったのです。
しかし、こうしたブログやnoteを執筆するようになり、外で作業するためにMacBookを買ってからはPCを持ち歩く機会が激増。
帰省などの県を跨いだ移動に際し、長時間の移動時間も作業に充てられるなら便利だろうということで、初めて乗ってみることにしました。
今回の利用は新横浜ー新大阪間のひかりによる往復。
平日昼〜夕方のひかりということもあってか、ゆき・かえり共に7号車の乗車率は高いときでも7割くらい。終始ゆとりがあってよかったです。
乗車して感じたこと
以下、乗ってみてよかったポイントと気になった点を列挙します。
◎隣席とのスペースが確保されている
A~C席に該当する3人席を半分ずつ隣の人と使える設計のため、このようにパーソナルスペースが非常に広くなります。

間に立てられたパーティションのおかげで互いの座っている領域はほとんど隠れるので、気を遣う必要性がグッと減るのは嬉しい。
私鉄の特急やJRのグリーン車などもそうですが、自分の空間が確保できることで得られる安心感は非常に大きな意味を持ちます。
長時間の作業が肯定される環境に加えて、安心して過ごせる空間も提供してもらえるというのは、これだけで1,200円以上の価値がありました。
◯最低限のWi-Fi(ないより嬉しいくらい)
車内にあるdocomoのWi-Fiに接続した場合と、自前のiPhoneでテザリング(LINEMO)した場合の速度はそれぞれ以下の通り。


前者のスピードでも最低限はありますが、普段使いのスマホでテザリングできるデータ容量がある方はそちらをおすすめします。
後者ぐらいの速度があれば、YouTubeで動画を流しながらこのnoteの原稿を作る作業は問題なくこなせました。
とはいえ、データ容量が気になる場合でも文書作成には差し支えないくらいの速度が担保されているのはありがたいですね。
◯ドリンクホルダーに深さがあり、振動で倒れない
普通の食事用テーブルでは、ふとした衝撃や揺れでペットボトルが落ちないか心配になりますが、S Work Pシートでは全く問題ありません。

500mlクラスのペットボトルや水筒もこのように安定する上、サイドテーブルに置いておけるので、テーブルを目一杯使うことができます。
つまり飲み物が欲しくなったとき、前の座席の網ポケットや自分の鞄に都度しまい直すような必要もなくなります。
飲み物を置く場所が真横にあることから手に取りやすく、PCを置くテーブルをMacBookのために最大限利用できました。

◯仕事をしている人と一緒になりやすい
当たり前ですが、仕事や作業をしたい人たちに向けたシートなので、周りを見回すと真剣に仕事をしたり書類に向き合ったりしている方が多いです。
「サボりぐせがあり、環境に自分を見張ってほしい」という性質の私にとても向いていて、自然と背筋が伸び、執筆に集中しやすくなりました。
▲パーティションは画面そのものを隠してくれるわけではない

先ほどと同じ写真ですが、移動に支障が出ない程度のパーティションなので、プライバシー全てを守ってくれるわけではありません。
人に見られては困る作業・プライベートなものの閲覧は、普通の新幹線車両と変わらず避けた方がいいでしょう。
▲通路側の席はコンセントがない車両も
N700Sでは、すべての座席にコンセントを設置しています。その他の車両では、窓側席と最前部・最後部の座席にコンセントを設置しています。
このようにコンセントのある座席が限られているケースもあります。
車両の種別を選ぶ余裕がある場合はいいですが、そうでない場合に備え、いずれにせよモバイルバッテリーも持参することをおすすめします。
モバイルバッテリーは元から携帯していましたが、MacBookを買ってしばらくしてから、筆者はノートPCにも対応した大容量に買い替えました。
かなり重いバッテリーですが、ふらっと入ったカフェで「コンセントがないお店だ!」となることがしばしばあり、そういうときに限って電池持ちのいいMacBookでもバッテリーが少なかったりします。
備えあれば憂いなし(嬉しいな)ですね。
▲S Work(P)シートであっても揺れることに変わりはない
あくまで新幹線なので、手前に傾けて動画を見るなどしてMacBookから手を離していると本体がずり落ちてくるくらいにはしっかり揺れました。
乗り物酔いこそしなかったものの、このシートはあくまでも「新幹線の中で比較的快適な作業環境である」ということには留意する必要があります。
普通にくつろいでいる人も多い
公式サイトや、シートポケットのリーフレットにも記載がありますが、
〇 新幹線での移動時間に、モバイル端末等を気兼ねなく使用して、仕事を進めたいお客様向けの車両です。
〇 Webミーティングや携帯電話の通話は、まわりのお客様へご配慮のうえ、座席でもご利用いただけます。
〇 最低限の作業音は”お互い様”として許容いただきご利用ください。
という旨の車両なので、必ずしも仕事や作業をする人に限定された車両ではないことに注意が必要です。
席をいっぱいに倒して寝ている人や、会話を楽しむ人も少数います。完全な静寂が保たれることが保証されているわけではありません。
AirPods Proを装着していればほとんど気になりませんでしたが、そこが気になる方はご注意くださいね。
普段使いしている筆者のレビューも、よかったら参考にどうぞ。

利用料金の値上がりが決まっている
およそ一ヶ月後から、S Work Pシートは値上がりが確定しています。
2025年5月15日(木)乗車分(4月15日(火)10時より発売開始)より、S WorkPシートをご利用の際に必要な追加額が2,000円となります(現在は1,200円)。「S Work車両」ご利用者専用サイトを開設し、サイト上で閲覧いただけるWEBコンテンツや、「S WorkPシート」ご利用者向けに東海道・山陽新幹線の駅等でお使いいただけるサービスのクーポン等をご用意します。
ちょっと贅沢になるので使いづらくなりますが、たとえ値上がりするとしても、自分の空間を確保して過ごしたい(作業をしたい)という需要に頼もしく応えてくれるサービスかと思います。
人の多い土日祝に移動する場合や、ひかり・こだまなど乗車時間が長くなりやすい車種の利用にあたっては、自分のプライベートをしっかり確保できる心強い選択肢になりますね。
今後は料金が上がる代わりに雑誌や記事を読めるようになり、クーポンも展開されていくとのこと。
グリーン車にも似たサービス内容だなと感じましたが、実際乗った結論としても「普通車とグリーン車のあいだ」という印象を抱きました。
結論:乗ってよかったしこれからも乗る
想像していたよりいい環境で、ありがたいサービスでした。
HSPさん、仕事をしたい人、どちらにとっても利用する意義が大いにあると感じます。
1,200円という価格を知ったとき「JALのクラスJみたいなものかな」という感想を抱きましたが、個人的には移動手段としての新幹線で作業スペースを確保できることが非常に快適だったので値段相応、あるいはそれ以上の価値を感じました。
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新幹線に乗る頻度がさほど高くない(数ヶ月に一回くらい)
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乗る場合はひかりしか停まらない駅から利用することも多く、ひかりの特急料金はのぞみよりも安価
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精神的に落ち着いて広く過ごせることの重要性・優先順位が高い
ということから、値上がりへの抵抗感もあまり大きくなかったです。
大幅な改定前にこの値段で試せてよかったですし、2,000円になった後も引き続き利用させていただこうと思います。
外出先でPC作業の機会が多い方、周囲の会話や物音に反応してしまって疲れてしまう皆さん。
次に新幹線を利用するときは、S Work Pシートを検討してみてくださいね。