※以前noteに投稿していた内容を再構成してまとめています
関東へ帰ってきてからお仕事のご縁をもらい、公私で人との関係が変わった。非日常だったこっちでの暮らしはすっかり日常になった。
引っ越しが落ち着いてまず考えたのは新しい仕事。
こっぴどく身体を壊し、社会復帰にはずっと二の足を踏んでいた。だが、いくら環境に恵まれて療養できているとしても「人とつながって人の役に立ち、人から感謝される経験がなければ人は生きていけない」と身に染みて実感した。
一人が好きで、寂しがりなのに一匹狼になりたがるわがままな私でさえそうなのだ。これはもう人間の本質だと思う。
かといって、電車通勤したり人と同じように週5日フルタイムで働いたりしたら、またこっぴどく同じ転び方をする。それも直感した。
考えて探して応募した末、本当にありがたいことに、文章を書いてお金をいただく仕事を継続してもらえるようになった。
労働契約も結ばない業態だし、報酬は決して多くなかったが、手応えを得るには十分な場所だったと思う。
きちんとした場で自分が書いたものに価値を感じてお金を払ってくれる人がいる。継続して依頼してくれる方がいる。この事実が何よりも強く背中を押してくれた。
事実、おおよそ3年ぶりに自分の力でもらったお金で友人と食事をしたり、大切な人へのプレゼントを買ったりできるようになったことで、自己肯定感は跳ね上がった。
経験のない文体や条件で書くのは正直かなり大変で、仕事の間は一日中カンヅメになって頭を抱えることが多く、共に仕事をする人々を尊敬するばかり。
現在は限界を感じてこの仕事からの方向転換を図っているが、間違いなくここでの経験はプラスになったし、肥やしにさせてもらえた。
人間関係も変わった。
大事に思っていた人から距離を取られたり、久しぶりだった人とまた偶然親密になったり。このアップダウンは何度経験しても慣れず、その都度ひどく落ち込んだり喜んだり。
人間関係でネガティブな変化があったとき、学校生活とは違い、大人になって一度距離を置かれると挽回するチャンスはまずない。一言謝ることもできず余計に落ち込む。
でも、嫌われるのを恐れて八方美人に立ち回ってもそうなるのだから、そんな茨の道を選ぶ必要はないと自分に言い聞かせるようになった。
人との付き合いなんて、そんなこと関係なく移ろっていくもんだ。自分がよく考えて心からいいと思う選択をし続けて、その選んだ道の先で交われる人たちとの時間を大切にすればよいのである。
どうにも大人になるスピードが遅く、すぐ傷ついたり傷の治りが鈍かったりするが、その傷と涙の数だけ、未来の自分や大切な誰かに返そうとしている。
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
『魔女の宅急便』でキキが呟く、私の大好きな言葉。
落ち込んでもいい。落ち込むのは辛いけど、いいことも悪いこともやってくる。色々あって当たり前で、その末に元気でいられたらそれが一番。
ちょっとしたことで受ける傷も深いが、ふとした幸せをハッピーに感じ取れるのもHSPだ。
その強みを胸に生きていきたいし、HSPという気質を通じて感じた世界や機微を書いていけたらと思っている。