HSP気質なあなたに、この記事はこんな点がおすすめです
●嘔吐反射(オエっとなること)が起きやすくて怖いけど、胃カメラは受けた方がいいの?
●医師や看護師の人たちに迷惑をかけたくない。麻酔はするべき?
こんにちは。りんです。
私は大学生のとき、初めて逆流性食道炎を発症しました。
「なんか胸焼けがするなあ」「胃液が上がってくる気がする」という感覚が続いたため、最寄りのクリニックで初めて胃カメラを受けることに。
その際、起きた状態の経口カメラでお願いしたところ、嘔吐反射(オエッとなること)があまりにキツすぎて、トラウマものの体験になってしまいました。
クリニックの先生は丁寧に説明・検査してくれましたが、検査中の私は苦しみのあまり涙が止まらず、看護師さんたち複数人の手を離せないまま、ずっと握り続けているという体たらく。
それでも看護師さんたちは嫌な顔をせず寄り添ってくださり、恥ずかしさと感謝から頭が上がりませんでした。
小さなことが気になってしまう性質からか、逆流性食道炎を定期的に再発する私ですが、胃カメラのたびにこんなことになっていては検査が怖いという時点で消耗するだけでなく、「病院に迷惑をかけてしまう」という心配からより精神的負担が増してしまいます。
今回、初めての胃カメラから7年が経ったこと・前回の私が苦しんでいることを慮ってくれた先生の勧めで、点滴による麻酔ありの胃カメラに挑戦してきました。
「嘔吐反射が怖いけど、胃カメラは受けた方がいいの?」
「医師や看護師の人たちに迷惑をかけたくない。麻酔はした方がいい?」
と言った方々の下調べに貢献できれば幸いに存じます。
本記事の内容は私個人の体験に基づいています。
また、病院やクリニックによって注意事項や見解等は変わる可能性があります。
正確な情報については、受診先の病院や先生にご確認ください。
胃カメラ終了までの流れ
胃カメラ前の事前検査、前日の注意事項
まず年末に簡単な血液検査をし、先生と看護師さんの両方から注意事項を説明してもらい、検査自体の予約は年明けになりました。
私が前回・今回とお世話になったクリニックの場合、3か月以内に別の施設で血液検査をしていると、その結果を持参すれば簡単な血液検査で済むので料金が安くなります、とのことでした。
ちょうど、昨秋に精神的・身体的にしんどい症状を相談するために総合診療科を受診していたので、そちらを提出することができました。
また、以前からの習慣で献血にも行っており、スマホアプリで結果が閲覧できるので、併せて提出。
結果、問題なく利用してもらえたようで、血液検査は数分くらいで終了しました。
前日からの注意事項として、前日21時以降は何も食べられなくなります。
食べ物はなるべく消化の良いものでという指示でしたが、飲み物はまだ何でもOK。
とはいえ、検査前に飲酒をするのもあれなので、特に晩酌等はせずに過ごしました。
検査当日、麻酔で眠るまで
当日は、検査1時間前までなら水とお湯を飲むことができます。
検査が10時半だったので、9時半を迎える直前に300mlくらいのぬるま湯をしっかり飲んでおきました。
冬場なので口の中や喉が渇きますが、検査が終わるまで我慢、我慢です。
予約時刻の10分前にクリニックへ到着。
いよいよ、胃カメラが始まります。この時点で心臓バクバクでした。
荷物を預けて検査室に案内してもらい、ベッドに座ると紙コップを渡されました。
中身は消泡剤(胃の中の泡等を消すための薬)で、当然あまりおいしくない薬ですが、そこまでの苦痛ではありませんでした。三口くらいに分けてクリア。
続いてベッドに横たわると、喉の麻酔としてゼリーを口に含みました。
「飲み込まないように喉の奥で留めてくださいね」という指示でしたが、個人的にはこれが至難の業。
何とか喉にひっかけ続けようとしても、飲み込まないようにするとどうしても舌の上でゼリーをキープしてしまうのです。
飲み込んでも大丈夫な薬ということで、「舌の上でゼリーを転がすくらいなら飲んだ方がマシだ」と何度か飲み込みましたが、それだと喉元に十分な麻酔が行き渡らないというジレンマ……
結局、舌の上だけ麻酔でしびれてしまい、喉周りの麻酔はあまり浸透しませんでした。
ただでさえ緊張しやすい上、前回のトラウマも蘇ったことで、私はまだ何も起きていないのに気持ち悪くなって嘔吐反射を起こしてしまいました。
必要以上に想像力が働きすぎて、「本番が近づいている」という事実だけでオエッとなってしまうのです。
ただ、そうした事態も想定済みのようで、追加の麻酔として喉の奥に細い管でスプレーするタイプの麻酔をしてもらいました。
これなら口を開けて喉の奥にシュッとしてもらうだけなので、苦しくありません。
何度かこれを繰り返し、ゆっくり飲み込むことで、嘔吐反射も出なくなりました。
心配性だからかHSPだからか、一つひとつ異常なまでに緊張してしまうし緊張するまでのハードルも低いことに、今回も悩まされました。
半面、看護師さんが優しい言葉をかけて寄り添ってくださるだけでとても安心できる性質もあり、ドキドキしていた脈拍もすっかり落ち着いていったのをよく覚えています。
その後、左腕に繋いだ点滴から「生理食塩水を入れてますよ」と言われ、「だんだん眠くなってきますからね」と言われて十数秒だったでしょうか。
その後一瞬で意識が飛び、検査室での記憶はここで途切れています。
こうして後から振り返ると、こんなにすぐしっかり眠ってしまうんだと驚きでした。
1が覚醒・10が眠っているとすると、以前受けた含歯性嚢胞の手術では徐々に効いていってストンと落ちた感覚でしたが、今回は1,2…と数え始めた直後一気に10へ、という感じ。
完全に意識がなくなって眠り込んだので、検査中の苦痛はもちろん、記憶も一切ありませんでした。
胃カメラが終わったら(麻酔が切れて目が覚めた後)
看護師さんに声をかけてもらい、気が付くと回復室という別室で眠っていました。
これは「検査後は回復室で1~2時間ほど過ごしてもらいます」という説明があり、その通りの流れです。
このとき看護師さんに尋ねたところ、胃カメラ自体は10分前後で終わったようでしたが、その後1時間半全く目が覚めませんでした。先ほど書いた通り、意識が落ちた後の記憶もないため、しっかり眠り込んでいたようです。
口から喉を通ってカメラを通したので喉の痛みや違和感はありますが、想定していたほどひどくはなく、安心しました。
ただ、寝ていたので一切分からなかったのですが、検査中の私は相当苦しそうにしていたようで、眠るための麻酔を追加してもらっていたことが分かりました。
そのせいか、立ちあがろうとしても力が入らず、介助してもらわないと膝が折れてしまうくらいには意識がふわふわしています。
看護師さんとの会話はしっかりできたので、脳というより身体がまだ寝ぼけていたイメージです。
点滴の針と管はこのときも付いていたので、「点滴で目が覚める薬を入れますね」と何かを注射してもらったところ、確かに意識がはっきりしてきました。
数分後には一人でも立ち上がれるようになったので、看護師さんたちにお礼を伝え、ゆっくりと受付まで戻りました。
その後、先生から検査結果や写真を見せてもらい、説明を受けます。
「経口カメラのメリットは映像が綺麗なこと」というのは前回も受けて知っていましたが、体感だと前回以上にくっきりした鮮明な写真で、食道・胃の中・十二指腸の様子がはっきりと確認できました。
逆流性食道炎だった形跡が予想通り見つかったほか、別の炎症も起きていたようで、念の為組織の一部を採取して詳細な検査に出されたとのこと。この結果を聞くために数週間後の来院が決定しました。
胃カメラに際しての血液検査では梅毒の陽性・陰性も判定されるらしく、それらを含めた血液検査の結果もいただいて、ここで診察終了です。
検査が終わった後の過ごし方
検査後1時間は飲食ができないのですが、麻酔をすると検査後の眠っていた時間で消化できているので、クリニックを出てすぐにご飯を食べられました。
受付で再度確認した注意事項は以下の二つです。
・ランチは刺激の少ないものにしてください。辛い物はやめてね
(夕食ならカレーとかでも大丈夫です)
・今日一日は、車の運転等しないでくださいね(血液検査の時点でも説明済み)
特に後者はその日に与える影響が大きいので、往復には公共交通機関を使ったり、検査するクリニックは駅やバス停から近いところを選んだりするのが良いでしょう。
検査日のお会計は9000円いかないくらい。
当日の処置等によって変動するので、15000円くらいは持ってきてねと言われていましたが、1万円でお釣りが来るくらいで済みました。
クリニックを出た後もまだちょっとぼんやりするので、ゆっくり焦らず周囲を見ながら歩き、歩く際もイヤホンはしないことにしました。
消化にいいものということで卵とじうどんを食べ、ノンカフェインのお茶を飲みながら過ごしていると少しずつ目も覚めてきたので、軽く買い物をして帰宅。
ただ、夜になってもまだぼんやりした感覚が残っていたので、検査をする日は予定を入れず、なるべく自宅で過ごせるようにするのがおすすめです。
結論:麻酔(眠りながらの検査)をお願いして本当に良かった
今回、私は7年ぶり二度目の胃カメラでしたが、麻酔を利用してよかったと心から思いました。
●検査に強い苦手意識を持っている方
●意識がある中で「病院に迷惑をかけたくない」と感じる方
には本当におすすめです。
「検査は全然怖くないよ」という方も、起きている間の胃カメラには相応の苦痛を伴うので、個人差があるとはいえ、麻酔を伴った検査は有力な選択肢になってくると思います。
知り合いの女性(30代半ばくらい)も、意識がある中で胃カメラを受けた後に「本当に苦しかった。次は絶対麻酔してもらう!」と話しており、その経験談も今回麻酔ありでのカメラを考えるきっかけになりました。
胃カメラはかなり怖いイメージを持っている人が多いと思います。
ですが、定期的な健康診断という意味では、受ける意味が大いにあるのも事実。
病院やクリニックのサイトで患者さんの声として体験談も紹介されていますが、今回の記事を参考に、検査全体の流れを事前に想像するお役に立てれば嬉しいです。